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ヒカル応援団集会所

【最終回】集会所は閉所しますが、ヒカル応援団は永久に不滅です

これまで30回以上、3年にわたって掲載してきました ヒカル応援団集会所 ですが、今回が最終回となりました。

このコラムでは、ヒカルとわたしが続けている月例のトークをまとめ、ヒカルの月次の活動報告を記録するだけでなく、一回り離れた幼馴染であり、ヒカルの理解者のひとりであり、純粋にヒカルのファンでもあるヒカル応援団長こと わたくし シンが、ヒカルが提供する話題に別視点からの感想やアイデアを添えることで、それらが歯車のように噛み合って、一気にプロジェクトとなってガンガン動き出すこともありました。
また、SNSでふたりのトークを配信し、視聴してくださっている方にコメント等で参加していただいたり…そういえば初期の頃はZOOMのミーティングルームを公開していたので、応援してくれている方が毎月のように参加してくださったり、ヒカルが招いたゲストに参加していただいたりすることもありましたね!

笑いあり涙あり、そして出会いあり、学びあり、「ヒカルと語ると何かが起きる」というワクワク感全開のトークは、コラムのネタに尽きることなく、常に新鮮でスパイシーな刺激がてんこ盛りだっただけに、最終回というのは非常に寂しくもあるのですが…。
ヒカルの活躍や成長を、定点観測のような形で月次報告していた面もあるので、毎月楽しみにしてくださっていたコアな読者の皆さまには、ヒカルマターではなく、修論やまちづくり活動が多忙を極めてしまった、まさかの書き手マターで終了というのは誠に心苦しいところではありますが、何卒ご了承いただきたく存じます…。
最終回の今回は、ここ数ヶ月でヒカルとトークしながらも「ヒカル応援団集会所」の記事にできていなかった部分をダイジェストで紹介したいと思います。

ヒカルの夏

夏のヒカルはバリバリの繁忙期、各拠点を忙しく飛び回りながらも、今年はレストグランピングに新しくスタッフを迎えたこともあって、会社のマネジメントについて考えたり学んだりする時間もあったようです。どうしても、現場に足を運ぶことが多くなり過ぎるとヒカルも体力を消耗してしまい、数字と睨めっこしたり、知識を整理したりする余力が残らないですからね。
経営者が経営について短期でしか見れていないと、ついつい目の前のニンジンに手を出してしまいがちになってしまうものだそうで、長期的な目線で、冷静、かつ大胆に会社の方向性を考えることが重要なのだとか。

どんな事業でもそうですが、最初はもの珍しさもあってグンッと売り上げが上がりますが、同じことをやっていても次第に売り上げは下がってくるものです。
ビジネスとして収益化を考える際には、「売り上げを上げる」ことと「コストを削減する」ことの2つの直接的なアプローチが考えられますが、ヒカルの話を聞いていて、なるほどな…と思った観点があります。

それは、コストを「変動費」と「固定費」に分けて考える、ということです。

「変動費」とは、寝具のリネンやテントの電気代など、お客さんの人数によって変動するコストであって、「固定費 」とは、家賃や通信費など、お客さんがゼロであっても必ず発生するコストですね。なので、例えば変動費が赤字になってしまうような料金設定にしてしまうと、お客さんがくればくるほど赤字がかさむということになります。
一方で固定費は、お客さんが来なければ確実に赤字になる、ということになります。

通常は、変動費に、固定費をまかない、さらに利益も上がるような料金設定にして、お客さんが増えれば増えるほど利益が上がるようにするのが商売、ビジネスというものですよね。しかし長期的に見た時、例えば閑散期には、経営としては一時的に赤字となったとしても、お客さんが多く集まるような料金設定やサービスを考えてもいいんじゃないか?というアイデアがヒカルの頭に浮かんでいます。
例えば、閑散期である冬に、グランピングではあまり取り扱われてこなかったような「寒さを楽しむイベント・プラン」を赤字覚悟の料金設定で打ち出すことで、新たな客層を取り込み、リピーターとなってくれることが期待できるような仕組みを準備しておく、とか、若者がSNSで発信してくれることで、広告料をかけずにものすごい宣伝効果を生んでくれる、とか…

この例えの後者なんてとても分かりやすく、目先の変動費の赤字にビビらずに挑戦することで、それ以上の広告費の削減につながった!っていうことなんですよね。

ヒカルは「会社経営は作品づくりだ」と言います。地道なコスト削減を行うこと、新たな仕組みを考えること、様々な「仕事」の バランス や デザイン の要素を生み出したり組み合わせたりして、理想としてイメージする会社経営に近づけていく。確かにアートに似た感覚かもしれません。
そうすると経営者とは「アーティスト」に例えることができるわけで、ヒカルは ITツール があんまり得意でなく、「地域密着力」「人間マグネット力」が売りなので、オフィスでスマートにキーボードをカタカタカタ…ッターン! みたいなやり方より、地域の経営者や住民の方を巻き込んで、体験コンテンツを一緒につくりましょう、楽しみましょう!オーッ!! っていうやり方のほうが、ヒカルらしい「作品」(=会社経営)ができるでしょうね。

ヒカルと話していると、どうしても大切なことがローカルな方、ローカルな方に向いていってしまうんですが、この時は 体験コンテンツ を語る中で、例えば 同窓会 や 幼馴染み で集まると必ず繰り返し語られて笑う「すべらない話」があるような、同じ想い出を共有して語れるような「共通言語」ってキーワードだよね、ってことになりました。
これって、ローカルな同窓会や同郷などの地域的シンパシーだけに限られた話じゃなくて、例えば 推し活 だったり、鉄道マニア だったり、音楽やスポーツのファンだったり、そういうクラスタごとでの オフ会 にもきっと同じような感覚ってあるんじゃないか?という風に発展しまして、例えば「オフ会をグランピングで!」とかもアプローチとしてはアリなんじゃないかな?という具体的なアイデアまで飛び出しました。

そう考えると、オタク活動って、共通言語で語れる仲間の集まりなわけで、精神的に本当に健全だよな…というところに着地しました。

ヒカルが今年ずーっと力を入れていた「コンテンツづくり」。やっぱり「コンテンツ」というからには、その地域、その施設ならではの特徴、魅力がなければなりません。それから、コンテンツづくりに労力や時間を割きすぎて、グランピング事業そのものが停滞してしまうようでは本末転倒です。ものには順序があるといいますが、まずは純粋にその業界でナンバーワンになってからネクストステップに歩を進めるべきです。

そこでヒカルが掲げた目標は、まずはグランピングで「中国地方ナンバーワン」です。

グランドーム下関ができたことで、レストグランピンググループは、サイト数では中国地方ナンバーワンになりました。
ここから、「グランピングと言えばレストグランピング」と誰もが認知するレベルまで高めます。そのためには、グランピングそのものの認知度も高め、

「グランピング?あー知ってるー、なんだっけ、レストグランピング?いいんでしょ?あそこ。こないだ友だちが行っててさ、インスタすげー良かった」

みたいな会話が若者の間で当たり前に交わされるような世界線をつくっていくわけです。そうして押しも押されもしない、「グランピングの代名詞」となる頃に、各地域で独自の「地域と連携したコンテンツ」をつくっていく、というシナリオですね。

この「地域連携コンテンツ」をつくっていくために、非常に重要なキーマンとなってくるのが、「一般社団法人 海峡都市関門DMO」の代表、巖洞(がんどう)さんです。

福岡県北九州市と山口県下関市は、たった600〜700mの関門海峡を隔てただけで隣接しているのですが、所属している県が異なるため、これまでは全く別のエリアとして、それぞれ個別に観光のキャンペーンなどの売り込みが行われてきました。

なので、門司港に来る人は門司港だけを目指して、門司港のことを下調べして来る、下関に来る人は下関だけを目指して、下関のことだけを下調べして来る、という状況のようで、門司港に観光に来た人が、たまたまそこを歩いていた巖洞さんに、門司港から関門海峡の対岸を指差して、

「海の向こうに見えるあの街はどこですか?」

と尋ねることもあったそうです。
下関市民としては「マジかよ!?」ですよね。「ちょ待てよッ」と格好つけて言いたくなりますよね。

関門DMOは、下関と門司を、関門海峡を共有するひとつのエリアとして売り込みたい、「DMO」とは「Destination Management Organization」の頭文字で、要は関門エリアを旅の「目的地」としてマネジメントしていこう!という組織なわけです。だから巖洞さんは「海峡都市」を冠する法人名にしています。

この関門DMOのビジョンにヒカルはしっかり関わっていきたい、と考えています。
実際、ヒカル自身もこれまで目の前に見えていながら、門司港にはあんまり遊びに行ったことがなかったり、巌流島にも行ったことがなかったりだったんですが、この機会にしっかりデビューして、門司港は下関市民の遊び場としてもメッチャあり!ということを確認してきました。そしてそのま逆もまたしかりで、門司港から船で渡れる唐戸エリアも、北九州の観光と絡めれば、さらに充実して楽しめるコンテンツが揃っていることに気づきました。

ヒカルはこの「関門エリア」にレストグランピング、あるいは株式会社レストレーションとして、どんなコンテンツをブッ込むことができるでしょうか…!いくつかアイデアは上がってるんですけどね、ここではまだナイショにしておきます‼︎

夏のヒカルの生きた学びとして、詳細は伏せてもメモしておきたいことがありまして…。それは、ヒカルが地元ではない地域の伝統的なお祭りに参加する、という貴重な経験をしたことです。
とかくヒカルもわたしも、地元愛が強すぎて、地元のイベントへの思い入れが強すぎて、客観視しきれないというか、地域外のひとたちの気持ちや捉え方をイメージすることが苦手です。地域のイベントがあんまり好きではなくて…という人には、

「なんで⁉︎こんなに楽しいのに‼︎」

と天真爛漫に追い討ちをかけてしまうことが、ふたりとも多々あります。
なので、ヒカルはこの夏、自身の地元ではない地域のお祭りに、ご縁があってガッツリ参加させてもらったことで、ヒカルとわたしが何よりも大切にしている自治会行事「観音様十七夜」をはじめとする地域のイベントを俯瞰して見て、客観的に考えることができた、と言います。

そのお祭りは、夏の夕方前、3時〜4時頃から地域を神輿を担いで回って、家々を回って神楽を舞う、というものだそうで、地球上のどこでもコミュニケーション能力を発揮してすぐに現地の人と打ち解けることができるヒカルをもってしても、その祭りの「ノリ」に乗りきることができなかった、と振り返ります。
日常生活やビジネスであれば、ちょっと馴れ馴れしいくらいのフレンドリーさは、人懐っこさや誠実さでプラスに作用することが多く、相手の様子を見ながら距離感をつかむことができます。しかし「祭り」となると、日常とは異なる「しきたり」であったり「宗教観」であったりが加わってくるので、「距離感」は本当に難しくなります。ヘタすると知らずに「神への冒涜」に近い行為をはたらいてしまう可能性もあるわけで、

ヨソから来たヤツがやらかしよった…!

みたいなことになると、もはや出禁レベルにヤバいということになりかねません。
これは、日頃、自身の地域の行事に大切に関わっていたり、過去に地域の行事でやらかしたりしているわたしやヒカルにとっては、なおさら痛いほどよく分かる感覚です。
他地域の行事に「中の人」という立場で参加できるのはとても光栄だし、楽しい。でも、100%勝手が分かるようになるまでは、手放しで ウェーイ! と満喫するのは結構ハードルが高い。ということをヒカルは学びました。

これはもっと考えを進めると、「身内すぎるとさらに敷居が高い」とも言えます。
例えば、地元の若者が他県の人と結婚して、地元で生活を始めました!…という時に、

「ここはひとつ、祭りに参加してもらって地元のモンと距離を縮めて…!」

というのが手っ取り早い‼︎と考えがちですが、人によっては、最初は無理のない範囲で、気を遣わなくてもよい距離で、お客さま対応から徐々に、というスタイルもアリなのかもしれません。

ヒカルのつくろうとしているコンテンツに、こういった地域の行事のあたたかさは要素として盛り込む構想ですが、「はじめての人でも楽しめる」という要素を枕詞的にくっつけておくといいかもしれませんね。

ヒカルの秋

秋になると、ヒカルはグランドーム下関である種 悟りを開く ような体験をします。
それは、ヒカルがこれまでの人生で本当にお世話になっている人や、長〜く付き合いのある仲間たちがお客さんとしてグランドーム下関を利用してくれて、ヒカルがおもてなしをすることができたり、オフのタイミングで時間を共にすることができたことでした。
そこで改めて、ヒカルはグランピングの事業を通して実現したいこと、実現しなければならないことは、レストグランピングの施設を利用するお客さまに「最高の時間を提供すること」だということを再確認しました。また、レストグランピングが地域に果たすべき使命は「その土地の魅力を最大限引き出すこと」であって、これがお客さんの「最高の時間」としっかりリンクする必要があります。
土地の魅力を全く無視した「最高の時間」が提供されるのであれば、それはわざわざレストグランピングを利用しなくてもいいし、グランピングというハコである必要すらないわけです。
かつての「モノがあれば豊か」だった消費の時代から、「心の豊かさ = ウェルビーイング」が求められるようになってきた現在においては、ヒカルのこの考え方はすごくマッチしていると思います。

ヒカルが最近読んだ、ユニクロ創業者 柳井さんの本には、宇部高校から早稲田大学に進学し、海外に商品の製造を外注し、全て買い取るというシステムを確立させ、シーズンがあることが当たり前だったファッションに「ライフウェア」という概念を持ち込んで、生活の中の「機能」であったり「部品」的な面に注目して今やひとつのライフスタイルにまでユニクロを成長させた柳井さんの人生が詰まっていたようで、ヒカルは大いに影響を受けました。そしてヒカルは自身に問いかけます。

じゃあレストグランピングは何なんだ?
グランピングにどんな機能を組み込む?
グランピングはわたしたちの生活にどんなカルチャーをもたらす?

わたしが中学生の頃、シーモールにあったジーンズショップの隣りにユニクロがあり、NBAのビッグサイズのTシャツを購入したりしていました。それらは当時、残念ながら翌年には首がダルダルに伸びてパジャマになっちゃったりなんかして、まさか全世界に展開する巨大な企業になっていくとは、想像もしていませんでした。
だから今、想像もできない「グランピングがもたらすカルチャー」も、近い将来、当たり前にみんなが享受するものになっているかもしれません。
それをこれからヒカルがつくっていくのだ、と。ワクワクしますよね!!

ヒカル応援団集会所、これで最終回となりますが、ヒカルの挑戦はまだまだ始まったばかり。なお、このコラムは終わっても、ヒカルとシンの月イチのトークは継続するので、何か別のカタチで皆さんにシェアできることがあるかもしれません。

これまでのご愛読、ありがとうございました。そしてこれからもみんなでヒカルの応援、よろしくお願いします!

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