グランピングをまちづくりのコンテンツに
押忍、秋を感じながらも夏を引きずる暑苦しいヒカル応援団長シンです押忍!
今回のトークは、ヒカルが先日家族と共に帰省した際に擬似的に体験することになった「田舎での子育て」を通して改めて感じた「田舎の魅力」や「コミュニティの機能」の再確認からスタートとなりました。
「田舎の魅力」と「コミュニティの機能」
具体的には、自然の中でノビノビ子どもを遊ばせることの心身ともにヘルシーな感覚とか、「コミュニティの子ども」として見守り、教育してもらえるカルチャーなどです。
ただ、これは非常に難しいところなんですが、ヒカルやわたしは、そういう「コミュニティの機能」ってすごく大切だし、素晴らしいことだと考えています。
しかし、都会での生活に慣れている人や、全く経験したことのない人にとっては、わたしたちの想定している「自然の中での遊び」が “不衛生”、”野蛮”、”ダサい” という印象で捉えられたり、田舎の人間関係の距離感がわずらわしく感じられたり、理解できなかったり、あるいは理解するのに非常に時間がかかったりする場合もあります。
もちろん、理解されたうえで、
「分かる、でもわたしはNO」
と否定される場合もあります。
例えば、日本中どこにでもありますが「内と外」の文化。コミュニティで育った子の家族ならかわいがるけど、全くの ”ヨソ者” はなかなか受け入れようとしない、とか。
こういうカルチャーは、少子高齢化の進む田舎のまちが今後生き残っていくためには、その素晴らしい魅力をアピールするという面でも、クセの強い部分にできるだけフタをするという面でも、どちらも必ず意識しなければならないポイントになります。
グランピングを「田舎の魅力」体験の入り口に
今回のヒカルの田舎での子育て体験が、ヒカルの事業構想とリンクしました。
アクティビティや人との交流をひっくるめた「田舎の魅力」を体験してもらうために、グランピングっていうのは入り口として最適なんじゃないかな?と…。
都会の人にとっては、いきなり田舎の大自然に放り出されて「ホラ、勝手に楽しめぃ」って言われても、何をどう楽しんだものやら分からないし、そんな塩対応を期待して田舎に来てないはずです。
田舎の人にとっても、観光客として都会から来る人を遠巻きに眺めていたり、たまにマルシェ的なイベントで交流があったりするけれども、基本的にはボランティアです。
ここをちゃんとお互いがハッピーなカタチでつないであげないと、「田舎の魅力」はうまく伝わらないし、観光客の皆さんに +α の感動を提供することはできません。
「コンテンツづくり」と「箱づくり」の違い
ヒカルがやろうとしているのは、グランピング施設という「箱」をつくることではなく、グランピングをきっかけにした、まちづくりにつながる「コンテンツ」をつくることだといえます。
イメージは、まずヒカルのいう「入り口」として、グランピングでのアクティビティやスタッフとの交流の中などに うまく田舎の生活の体験を取り込んで、グランピング本来の「グラマラスなキャンプ」に +α で、「エモい田舎の魅力」をブッ込みます。
これをきっかけに「アッ、田舎、いいかも」って感じてくれたお客さまには、そこから少しずつディープに、地域体験ツアー や お祭り などから、プチ移住といった感じで、最終的には完全に移住まで見据えた一連の流れをデザインする…
こうなると、まちづくり協議会や中間支援組織、行政なども巻き込んだ大がかりなプロジェクトに発展していきます。
こういうプロジェクトをしっかり計画を練ってうまく稼働させていくことができれば、地元食材の活用・PRや、地元企業による施設・設備の整備など、地域にお金が落ちる仕組みができるし、新しい仕事が生まれれば移住の促進にもつながるし、いいスパイラルが作用します。
ここまで壮大なストーリーを内包しているグランピング施設。これが「箱」と「コンテンツ」の違いです。
そしてこのコンテンツのスタートはまず下関でありたい。ヒカルはそう考えています。
「コンテンツづくり」は楽しい
コンテンツをつくる!って意識すると、その準備段階、「グランピング施設をつくる」という過程からスタートできるのも楽しい点ですね。
たとえば、
- グランピング施設をつくることになるまでのストーリーの紹介
- 施設のコンセプト
- 毎週の工事の進捗状況
- 暫定的な食事メニュー
- アクティビティメニューの検討
- スタッフ募集
- サプライヤー紹介
などなど…興味をもってくれた人をグッと掴むネタはたくさんあります。
手法も例えば、食事やアクティビティのメニュー選定などをファンと双方向に交流しながら進めていっても良さそうですね。
クイズにしたり、名前を募集したり…
そういえば、10棟のドームテントの名前はすでに決定しているそうですから、これを発表するのも盛り上がりそうです。
実はこのドームテントのネーミングにもまたネタがありますからね…!
そうしていよいよグランピング施設ができたら、実際にアクティビティや地域住民を巻き込んだイベントなど、ファンがどんどん地域を好きになってくれる仕組みを稼働させ始めます。
ちょ〜っとまだ やわらかブレインストーミング 程度ですが、ドーンとオープニングイベントを打ってみたらどうかな?ってアイデアは出てます。
そうなったらもちろんわたしは出しゃばりますよ〜ッ⁉︎
コラム「井の中の蛙って悪くない」
今回のトーク中に、プレーンサワーを飲んで調子がアゲアゲになったヒカルが、思いがけずステキな名言をカッ飛ばしましたので最後に紹介します。
それが、今見出しにもした「井の中の蛙って悪くない」です。
これは、ヒカルの実体験から生まれた言葉です。
わたしの家から1kmくらい離れた、同じ集落、同じ自治会の中で生まれたヒカルは小学生の頃、同級生は10人しかいませんでした。
5人の男子の中で、ヒカルは勉強もスポーツもよくできるほうでしたから、「すごいなヒカル」「さすがヒカル」と言われることの多い小学校生活を過ごしました。
ヒカルだけでなく他の子どもたちも、少人数のクラスの中でそれぞれが個性を発揮できる機会に恵まれ、地域の行事で活躍してコミュニティの大人たちにも褒められたり、日常生活の中にたくさんの小さな「成功体験」が散りばめられていました。
中学校でも、勉強やクラブ活動に激しい競争もなく、みんな仲良く、お互いを尊重し合える環境でのびのび過ごしたヒカルは、高校ではサッカーに明け暮れ、「山口県ナンバーワンのゴールキーパー」と (一部で) ささやかれる活躍を見せ、サッカーの名門・関西大学への進学を決意します。
ところが関西大学では、山口県ナンバーワンだったはずのヒカルでさえ、「第13ゴールキーパー」という格付けで、
“ゴールキーパーだけでサッカーチームを作ったとしても11人に選ばれない”
という皮肉な状況でした。
ヒカルにとってはそれまでの人生で最大の挫折です。
それでもヒカルはクサらずに、その環境の中で自分は何ができるか考えて行動した結果、部員200人を束ねる応援団長として、部内でも一目置かれるポジションに就きます。
この時の経験は、就職活動でも、銀行マン時代も、起業してからもずーっと生かされ、現在のヒカルの活躍の土台となっています。
ヒカルは、逆境をバネにできるメンタルの強さは、まさに「井の中の蛙」だった少年時代に育まれたと考えています。
激しい競争、大きな挫折を経験する前に、どれだけ成功体験を積み重ね、自己有用感を高めることができるかが、壁にぶち当たった時でも「自分は大丈夫」「自分ならやれる」と思える強さにつながります。
ヒカルだって、本当は関西大学への進学を決意した時の学力は、入試の合格ラインには遠く及びませんでした。
でもここで、
「オレは山口県ナンバーワンゴールキーパー。関西大学で絶対活躍するんだ!」
という、今思えば「謎の自信」で必死に受験勉強に打ち込んだ結果、見事合格できているわけです。
たとえ失敗したとしても、自分には認めてくれる人がいる、というのは非常に大きな支えになるし、最後まで自分を信じることのできる根拠になります。「謎の自信」って実はこれなんですよね。
これは田舎で子育てをすることの大きな魅力のひとつになるはずです。
学校では少人数で個性を発揮でき、そのぶん地域との交流は密で、自分の存在そのものを喜んでもらえて…。
しかも、今なら知識や情報はインターネットを活用すれば十分に得ることができるわけで、高校、大学進学のタイミングで世界に飛び出していく準備を整えることも可能です。
これまで当たり前のようになんとなく流れてきた日常が、実はかけがえのない財産のひとつだということは、地域住民みんなに理解してほしいし、誇りに思ってほしいし、もっとアピールしたいですね。
そうすることは、今度はコミュニティの力を維持していくための、コミュニティの「成功体験」につながると思うんです。
田舎の「強いコミュニティ」=井戸 が、「強い子ども」=蛙 を育てる。
心に留めておきたい言葉ですね。
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